マッチング事例 CASE.47株式会社鳥取県倉吉自動車学校
- 副業
- 週1副社長プロジェクト
「生涯の安全交通を共に学びます」という経営理念のもと、地域の人々の笑顔に貢献できる自動車学校を運営。ドローン講習事業にも県内では早期に取り組み、既存の事業におけるお客様のニーズに寄り添った様々なサービスを展開し「自動車」の枠組みを超えて地域の発展に貢献。
国家資格化に伴う新規顧客獲得の対策を強化
副業社員を募集したきっかけを教えてください
当社は自動車学校として創立から53年を迎えております。2018年よりドローンスクール事業を開始、2022年に免許が国家資格となり、ドローンに関することが注目される機会が増えてきています。
課題としては、事業においての新規顧客獲得のための施策を検討する必要があり、より当社のドローン事業の認知を拡大し、ドローンを活用する企業向けの営業活動や一般向けのプロモーション活動など、最適なアプローチ方法についてアドバイスをいただきたいと考えていました。当社の代表が、鳥取DXフォーラムに参加した際に副業社員マッチングについて知る機会があり、活用してはどうかという話になり、このたびお願いする運びとなりました。
集客や販路開拓と地方農業に強い人材を厳選
副業社員を募集してみてどのような反応がありましたか
副業社員の募集をかけたところ、30人近くからの応募がありました。20代から60代まで年齢層も幅広く、大手企業の管理職の方から、フリーランスの方など様々でした。多くのご応募をいただいたので、まずは書類選考で当社が求めている課題にマッチした経歴やスキルをお持ちの方を選出し、最終的にはドローンにというより、集客や販路開拓に詳しい人材や農協関係に詳しい2名の方とマッチングすることができました。
その副業社員に決めた理由は
マッチングした2名のうち、ひとりは大手販売促進サービス会社の40代の方で、現職で営業部長をされています。すでに副業経験があり、新規事業立ち上げや営業戦略、マーケティングにも携わってきたため、自身の力を発揮したいという点、ドローン事業に関わられた経験がある点の2つを動機とし応募いただきました。もう1名は農協関連会社に勤務されていた経験のある30代の方です。当社は農薬散布代行業もやっているため、地方の農業に詳しい方を必要としていましたが、最終的には当社の担当職員とうまくコミュニケーションをとれるかというところに重点を置きました。
具体的な業務内容とその成果を教えてください
年度末の繁忙期をさけて、マッチングしてからの4か月の間に週1回、集中して副業社員と打ち合わせを重ねました。その中で新しい制度に向け、新たにPRしたいという目標がありそこに向けて取り組みを行いました。まずは無料でできる対策として、見込み顧客がドローンスクールについて検索エンジンとして使用するケースも多いので、最初の情報が目に触れやすいようにということでGoogleビジネスのプロフィールを充実させる事をご提案いただきました。それまで県外からの問い合わせがほぼゼロだったのですが、Googleプロフィールを整えた時期から何件か問い合わせがあり、実際に検索で県外からスクールに申込みされた方もありました。
グーグルビジネスプロフィールの整備で閲覧数が増える
なかなか手が付けられずにいた当社公式サイトについても、改善すべき箇所についてのアドバイスをいただきました。グーグルビジネスプロフィール、10件ほどだった毎月の閲覧数が、11月以降に100件以上に増えました。検索が増え始める時期ということもありますが、それを踏まえても手を付ける以前と比較して、格段に閲覧数が増えたと言えます。ほかにもドローンスクールの体験会などのイベントをした際のアンケート集計とその活用方法、年明けには事業計画の立て方についてもアドバイスをうけました。
活用できる制度とターゲット層の提案
農業に詳しい副業社員には、「地域おこし協力隊」という制度が自治体ごとにあるので、補助金制度を利用し農業で移住してくる人をターゲット層にするという提案をいただきました。これは私たちにはないアイデアで、今後もまだまだ検討していく余地はあるということに気づきました。
副業社員がもたらした効果はどのようなものでしたか
2名の副業社員の方々は、普段なかなか接する機会がない職種や分野の方なので、一緒に仕事をしていると刺激をもらうことができます。話し方や伝え方だけでなく、すっきりとした資料作成や営業の回り方など非常に勉強になりました。また、働くうえでの基礎知識を学ぶこともでき、教習所の“井の中の蛙”から一歩飛び出せた感じです。当社の場合、教習生の指導員が営業に出ることもあり、自動車教習が優先になってしまうことも少なくないので、限られた時間をうまく配分し効率よく営業しなくてはなりません。
今後は特に、ドローンによる農薬散布代行業について今後営業回りに力を入れたいと考えていたので、副業社員に教わったことやもらったアドバイスを実行していきたいです。良い機会を頂きありがとうございました。
機体進化と操縦技術向上を見据えた事業展開を
今後、会社としてどのように成長していきたいですか
昨年から免許制度が始まったばかりですので、5~10年後にはドローン活用者のほとんどが免許を持つようになると予見されます。ドローンの機体も進化し、操縦方法や飛ばし方もより高度な技術が必要になっていけば、免許の取得も必須になってくるでしょう。その際に、自動車学校のように「ドローンを飛ばすならこの学校だ」と思っていただければ嬉しいです。ドローンの訓練は広い場所が必要なこともあり、同時に何十人もの受け入れというのが難しいものです。しかし途切れることなくドローンの操縦を学びたいという人が、年間で今よりもさらに増やせるように、当社も知名度を上げて成長していきたいです。
まだ副業社員を活用したことのない企業に向けてメッセージをお願いします
副業社員は幅広く知識を持っています。社内になかった視野や経験を、外部から得られるという仕組みは大変素晴らしいです。とても活用しがいのある制度ですし、当社も他の分野で、今後も副業社員の活用を検討していきたいです。社内だけだと出てこないアイデアを提案してくれますし、今回のマッチングでは本当に良い方と巡り会えたと思っています。
私たちの目線や歩幅に合わせて取り組んでいただき、感謝しています。ぜひ社内で困っていることがあれば、この取り組みを利用してみてほしいと思います。