マッチング事例 CASE.37株式会社ローカルマガジン
- 副業
- 週1副社長プロジェクト
山陰最大級のローカルWebメディア『鳥取マガジン』を運営。「地元を上機嫌に」「地元で消費」をテーマに、鳥取のグルメ・レジャー・生活情報を発信。SNSフォロワー数は75,000人以上。鳥取県や米子市とも連携し、「地域のプラットフォーム」としての役割を担う。HP作成、動画制作、求人サイト運営なども展開。
自社メディアの企画と収益化難航の打開へ
副業社員を募集したきっかけを教えてください
当社運営のローカルWebメディア『鳥取マガジン』のサービス企画と収益化について検討する必要がありました。『鳥取マガジン』はもともと、個人的な日記からスタートしています。18歳まで鳥取にいた私は上京して仕事をし、6年ほど前に鳥取へとUターンしました。昔と変わっているところ、変わらないところなど、改めて見てみたら様々な発見がありました。地元のちょっとした情報や、地元に住んでいる方の情報が目に触れるよう毎日書いて公開していると反響はそれなりにあり、SNSのアクセスも増えてきました。法人化し『鳥取マガジン』は認知されてきて、宣伝効果のあるメディアに育ったと思いますが、まだまだニーズに見合った収益化ができていないのが現状で、ここを打開するための対策を立てたいと考えていました。自分だけで対応することに無理を感じ、知見のある方にお願いしたいと思い、鳥取県の副業社員マッチングの取り組みを活用するに至りました。
多数の応募者から実績と経験で厳選
人材を募集してみてどのような反応がありましたか
昨年秋に副業社員の募集をかけまして、22人という多数の応募をいただきました。本当は全員とお会いしたいくらい幅広い年代の方からの質の高い応募が多く、その中から厳選して5~6名の方と面談をしました。
その副業社員の方に決めた理由は
面談をした方の中から、最終的には3名の方とマッチングしました。3名とも東京在住の方でした。決め手となったのは、これまでの経験や実績です。一人目は、40歳くらいの大手銀行にお勤めの女性で、お子さんが生まれたばかりで休職中の方でした。実は鳥取県では、育児中の女性は優秀な人材なのにフルタイムで働けないというケースが多いです。当社としても、同じ境遇の方にぜひお力を発揮してほしいという思いがあったのが大きなポイントでした。二人目は、30歳くらいの方でサイトの構築も含め、オンラインショップの知見がある方でした。当社の事業として将来的にオンラインショップの運営を考えていたので、ぜひお願いしたいと思いました。三人目の方は、大手広告代理店に勤務されていた、マーケティングに精通している方です。こちらの方はたまたま私が東京へ行く用事があった際にお話をさせていただく機会があり、ぜひお願いしたいと思いました。こちらの方は2月からお願いしています。
収益化を将来に掲げた道筋を明確にする
具体的な業務内容とその成果を教えてください
自社の現状把握と道筋の明示
副業社員と毎週オンラインで1時間ほどミーティングをし、当社と当社運営『鳥取マガジン』が今どういう状態で、今後何をどうやっていくべきかということに助言をいただいています。どういったことが会社の強みで、どこが弱点かが今までは明確にできていませんでした。当社がどんな経営理念をもっているか、どんな手段が最適かなど、今後の目標も丁寧に聞いてくださり、少しずつ形になっています。副業社員は資料もしっかり作ってくれて、振り返りもしながらPDCAを提案してくれます。
事業戦略の文章化と明文化
道筋を立てることで、今後の方向性を明確化できたことが当社としては大きな収穫です。今まではこれだとはっきり文章化できていなかったことが、副業社員の方と組ませていただいて少しずつ言語化、文章化できたというのは既に成果です。いま副業社員と主に関わっているのは私だけなのですが、『鳥取マガジン』運営に関わっているスタッフが何名かいますので、そういったスタッフも含めて副業社員のお話を聞く機会を設けたいと思っています。副業社員は当社にとってビジネスモデルを一緒に考えてくれるパートナーのような存在です。
将来の収益化も見据えた指針
現在は自社の立ち位置や道筋が明確になった段階で、まだ収益化の実現には至っていないのですが、将来的にどう営業していくかなど収益化もその先に見据えた話が出てきています。数年先までのスパンで事業の計画を立てることも副業社員にアドバイスをいただいたことで、現在はほぼ私ひとりの事業ですが来年は正規スタッフとして社員を雇えるくらいの規模についての構想を考えています。先を見据えての中間目標を定めるといったこともご指南いただき、具現化できるようになりました。
副業社員がもたらした効果はどんなものがありましたか
これまで事業のことを聞かれてもうまく説明できる段階ではなかった段階でした。たとえば「鳥取を上機嫌に」というテーマを標榜していますが、それってどういうこと? と深堀りされるとうまく答えられなかったのも事実です。何が強みなのかを聞かれ、意外と答えられなかったこともあります。
副業社員の方とご一緒して、色々と話を引き出していただく中で、不明瞭だった当社の強みやビジョンが明確化したことが本当によかったです。改めて、それまではなんとなく思っていたことが、考え方、進め方ともに話すなかではっきり言語化できるようになりました。
地元の人だからこそできる発信を鳥取から県外へ拡充
今後、会社としてどのように成長していきたいですか
今の目標は『鳥取マガジン』を地元の情報が集約する場にしていくことです。現在は鳥取だけですが、これを島根などの近県や、そのほかの県外にも広げていくのが目標です。大阪や東京にあるローカルメディアのように、地元が好きな方や地元に住んでいる方が発信できるのは面白いものです。今は私がお店にインタビューして記事化という流れですが、現地に精通している方がどんどん地域情報を発信できるよう広げていきたいです。ただ形式的な文章化であれば、AIでもできてしまうかもしれませんが、実際にその場所に行ってリアルな情報を伝えるというのはやはり人だと思います。
『鳥取マガジン』は良いメディアであり続けたいですし、人と人がつながって情報発信するという場を保ち続けたいと思います。県外発信について構想が広がったのも、副業社員の方のおかげです。
まだ副業社員を活用したことのない企業に向けてメッセージをお願いします
共通の目的意識を持った人と話せるのがありがたいです。この鳥取県の副業社員マッチングの取り組みは、コストとしてもさほど負担にならないのもかなり大きなメリットです。自分がどういう方向に進みたいか、というのが決まっている方がより良いお話ができると思います。それを踏まえた上で助言や提案をしていただくと、視野も広がりますし事業の開拓につながります。