鳥取県内に12店舗、岡山県に1店舗を展開するスーパーマーケット。「一に新鮮、二に価格」をモットーに、より良いものを、より安く、より簡単に、より便利に地元の皆様にお届けする地域密着型の運営を行っている。LINEの公式アカウントを運営するなど、積極的にSNSの活用を推進中。

最初は、「副業人材の活用」という方法自体知らなかった

副業人材を募集された背景を教えてください

 当社が副業人材を募集したのは、昨年8月。それ以前から地域のお客様に向けて、SNSを活用した情報発信は行っていたのですが、当初の想定よりLINEの公式アカウントの友だち登録者数が伸びず、なにかよい改善案がないか社内で検討を進めていました。ただ、自社にはSNS運用に関する専門部署もなければ、専門スキルを持った人材がおらず、本部の担当者として、今後どう進めていこうかと思い悩んでいた時に、今回のプロジェクトに出会いました。お話を聞くまで、副業人材の活用という方法自体を知らなかったので、「そんな人材活用の仕組みもあるんだ!」と驚いたのを覚えています。

 

副業人材活用のどのような点にメリットを感じましたか

 専門スキルを持った人材を、3ヶ月というスポットで契約できる点です。中途採用は長期雇用が前提ですし、コンサルタントを活用した場合、年間で数十万から数百万円かかることもざらにあります。コスト面でのメリットに魅力を感じたのはやはり大きかったです。もう一つは、地域性に捉われずに一度まっさらな視点から、SNS運用に関するプロのアドバイスを得たかったということもあります。県内ではなく、当社のことを全く知らない県外在住者のほうが、先入観なく、より客観的なアドバイスをしてくれるのではないかと考えました。代表に判断を仰いだところ、すぐに取り掛かろうとGOがかかり、社長直轄プロジェクトとして、当社では初となる副業人材の募集を開始することにしました。

 

最もお客様目線に立って話をしていた副業人材とマッチング

募集した時の状況はいかがでしたか

 当初の期待通り、北は関東から南は九州まで、幅広い地域の方々からご興味をお持ちいただき、21名の方からご応募がありました。最終的に4名の方と面談し、40代前半の女性の方との契約を決めました。これまでの正社員採用とは異なり、鳥取県外の方から沢山のご応募があったことも印象的です。

 

選考の決め手となったポイントを教えてください

 面談した4名の中で、今回契約をすることになった副業人材が最もお客様目線を大切にされていたことです。他の候補者の方々がデータ分析の強みや、過去の経歴のPRに終始する一方、今回契約をすることになった副業人材だけはただ一人、「私、スーパーが好きなんです」「いま考えている企画を進めたら、きっとお客様は興味を持ってくれると思うんですよね」といったように、お客様目線に立ったお話をされていました。また、本業としてニュースサイトに毎日記事を入稿し、運用面にも携われていて、当社が求めていた経験をすべてお持ちだったので、スムーズに決まりました。

 

 

プロジェクトを通して、目に見える改善が

副業人材と、それぞれどのようにプロジェクトを進めましたか

 お任せしたのは、「SNSを活用した販促アドバイス」です。実は当社では2020年から13店舗のうち4店舗でLINEの友だち機能の活用をはじめていたのですが、思うように友だち登録数が増えない状況に直面していました。プロジェクト期間は2021年11月から2022年1月で、当面の目標は1店舗あたり1500名の登録者数を可能な限り早く達成すること。その実現に向け、副業人材の方には、3ヶ月で具体的にどのような施策に取り組むかについてのスケジュールを提出いただきました。

 

 最初に取り組んだのは、Twitterでの模擬発信。プロジェクトを一緒に進める前に副業人材は「エス・マートちゃん」というTwitterアカウントをご自身で作り、今後LINEに投稿する記事のイメージをTwitterで模擬的に発信してくれたのです。ゼロベースではなく、記事の作り方や効果的なハッシュタグの付け方を率先して見せてくれたので、今後のSNS運用についてのイメージを持つことができ安心しましたし、プロジェクトへの期待を持てたのは嬉しかったです。

 

その後はどのようにプロジェクトを進めましたか

 毎週火曜日と水曜日にオンラインミーティングの場を設定し、プロジェクトを進めました。火曜日のミーティングは、社長と販促・店舗運営部の部長と私と副業人材の4名が参加。時間は1時間程度で、水曜日のミーティングに向けた準備と議題の擦り合わせがメインです。

 

 水曜日のミーティングは、各店舗の店長と実際にLINE記事を投稿する現場スタッフと副業人材が参加。公式アカウントは現在13ある全店舗で発行しているので、当社側の参加者は20名を超えます。このミーティングでは、各店舗に対して企画案を一から作るご提案や、記事の書き方のレクチャーなども行っていただきました。中には店長自らが投稿を担っている店舗もあり、店舗間でLINE記事の投稿数に開きが出てしまったのは今後の課題として残りましたが、これまでにない企画性のある記事が増えたのは、目に見える改善点でした。

 

目から鱗なアドバイスをたくさんいただいた

何か印象に残っている投稿企画はありますか

 「明日は寒いので、すき焼きしませんか?」をテーマにした投稿企画は、印象に残っています。ネッカビーフという上質な牛肉を特別価格で提供する企画で、入社2年目の若手スタッフが中心となり立案してくれたものでした。副業人材とのミーティングで触発されたのだと思います。若手スタッフがこんなこともやりたいです!と企画案を出してくれたのは、本部としては嬉しく、プロジェクトの成果を実感した瞬間でもありました。

 

プロジェクトを終えた上での感想について教えてください

 2022年の1月末にプロジェクトは終了したのですが、活用させていただいて本当に良かったと考えています。私たちは、SNS運用に関しては素人なので、ハッシュタグをつけて発信するだけでも、拡散力は増すといったアドバイスも目から鱗でした。この3ヶ月間、副業人材からさまざまな場面で、効果的なSNSのやり方についてアドバイスいただけたので、とても勉強になりました。本部ではいま、今回のプロジェクトについての、店舗アンケートを実施しています。現場目線での集客効果やお客様からの声など、どんな返答があるか楽しみにしているところです。

 

プロジェクトを通し、部署の新設を検討中

今後の事業ビジョンがあれば、教えてください

 エスマートは長い店舗ですと40年以上地域のお客様に愛されてきました。近年オープンした新店舗では子育て世代の新しいお客様のご来店も増えています。店舗によって多少の顧客層の違いはありますが、さまざまな世代に幅広くご利用いただけるスーパーマーケットを今後も長く続けていきたいと思っており、引き続きSNSの運用には力を入れていく方針です。実は今、本部ではマーケティング領域の専門部署の設立を検討しています。このような動きが社内で進んでいるのも、副業人材とのプロジェクトがあったからこそだと感じています。