マッチング事例 CASE.43特定非営利活動法人bankup
- 副業
- 週1副社長プロジェクト
『おもしろがろう、鳥取』をVISIONに掲げ、農村地域へのボランティア派遣、起業・移住支援を主軸に事業を展開。新規事業「YELL FOR」は、企業の広報や事務などの業務をアウトソーシングできるサービスで、鳥取県を中心としたメンバーで『リモートチーム』を組み、離れていても近くにいるかのような絶妙な距離感で、お客様の事業・組織の前進をサポートしている。
新規事業の認知拡大と営業戦略を練る
副業社員を募集したきっかけを教えてください
当事業については以前から話に聞いていました。当社がサポートしている企業の中にも、この取り組みを利用している先があり、面談にも同席させていただいたことがあります。間近で見てすごく良い取り組みだなと思っていました。
当社は企業の広報や事務などの業務をアウトソーシングできるサービスを新規事業として2年前に立ち上げましたが、認知向上と他社との差別化などの営業戦略が不十分でした。もともとは農村地域へのボランティア派遣などのコーディネート事業を軸としており、『YELL FOR』を立ち上げてから当社で戦略を練っていましたが、専門的な知識が不足していく、限界を感じていたところでした。そこで外部の方と一緒に活動を展開していくことで、視野が広がるのではないかと考え、この副業社員のマッチングをぜひ利用したいと思いました。
営業戦略の経験と柔軟な対応がポイント
―人材を募集してみてどのような反応がありましたか?
昨秋に副業社員の募集、17名というたくさんの方からの応募があり、その中から10名の方と面談をしました。応募者も様々で「地元が鳥取なので貢献したい」と言ってくださった方や、「自身の成長のために取り組みたい」という20代の方、定年を迎えた方で「これまでのスキルや事業の経験を活かしたい」といった方まで、モチベーションの高い方ばかりで当社も大変刺激になりました。12月にはその中から最終的に3名の方とマッチングし、1月からご一緒しています。
―その副業社員に決めた理由は?
マッチングしたのは3名です。一人目は20代の男性で、スタートアップの事業開発の経験、社長室や経営企画に関わっていた方。二人目は40代の男性で、金融機関のベンチャー投資部門の経験がある方、そして三人目の方も40代の男性で、企業の外部顧問を担当されている方です。
お三方とのマッチングの決め手になったのは、まず営業や販路拡大などの戦略について知見があるかという点と、副業社員として関わるスタンスを理解されている点でした。これまでの実績やスキルなどはもちろん、一方的になるのではなく一緒に悩んで考えて成長したいという意識を持っているか、変化を楽しめるか、役割に柔軟に対応してもらえるかというところがポイントでした。3か月というスパンで見て、マッチングした方々とご一緒したら発展していきそうだと思いました。
県内外への事業展開を見据えた伴走
具体的な業務内容とその成果を教えてください
事業の強みを明確化し戦略を検討
1月から副業社員とご一緒しておよそ2か月が経過しました。月2~3回程度オンラインでお話をし、次回までの宿題に取り組むといった流れです。当社のサービス理解、顧客理解、市場分析をひとつひとつ固めていっています。なにが自分たちの事業の価値なのか、どういった企業や事業が競合になるのかということが自分たちで明確にできていませんでした。副業社員のおかげでそこの解像度が非常に高くなりました。
口コミからの認知拡大に助言
当社の『YELL FOR』は、新型コロナウイルス情勢下で思うように働けていない学生や主婦などの人材、手が回らなくてやりたいことがやれていない企業をつなぎたいという気持ちで立ち上げたものでした。立ち上げ初期は当社の知人などの身近なところからスタートし、口コミで今の規模になってきました。副業社員には、これまで接点がなかった県内外企業へ向けてさらに事業を拡大するための具体案を検討していただいています。さらに当社事業の認知を広げ展開していくために、再現性のある施策が必要でした。それに対して私たちはノウハウがなかったため、副業社員に具体的な戦略や販路拡大について助言してもらい、検討して少しずつ形になってきています。
自社にない観点が冴える他社の分析
副業社員は私たちではわからない目線で客観的なアドバイスをくれるところがなにより良いところです。客観的に見て、自社の状況がどうなのかを的確に表現してくださるので、これは当社としても発見や気づきになったところです。特に、新規事業立ち上げとして規模としては成り立っている、だからこその戦略とマーケティングが必要だということは再認識しました。
副業社員がもたらした効果はどのようなものがありましたか
第三者としての視点で具体的なお話をしていただけるのは画期的で、私たち自身も学ぶことが多いです。特に当社の事業は同業他社も多い中で、規模感などから自信を持てずにいました。自信を持たなければというときに、副業社員は背中を押してくれる存在です。ミーティングのたびに当社の良い点もたくさん挙げてくださり、こちらのアイデアも否定せずに「もっとこうしたらどうですか?」と前向きな提案を言ってくれる。 話の中でも「私たちのサービスは」と言ってくださいます。普通のコンサルティングの方が言うような「御社のサービスは」でなく、メンバーの一員として「私たちの強みは」と言ってくださるのがとても心強いです。副業社員とご一緒して3か月目に入りましたので、そろそろ営業戦略の方針も固まってきています。近いうちに副業社員と当社メンバーで顔を合わせてミーティングしたいと思っています。
企業と副業社員をつなぐことで地域貢献する会社を目指す
今後、会社としてどのように成長していきたいですか
まだ明確ではありませんが、企業と人をつなぎ、働くことを通じて自信が持てる人を増やせるようになりたいです。当社の事業がきっかけで「働く中で目標を見つけられました」と言ってくださった方もいます。仕事をして貢献できたら毎日が明るいものになりますし、スキルを身につけたら、単価が上がって生活も豊かになります。地域の人が働くという機会を私たちが作り、人材が自信を持って働けるという形で社会貢献を続けていきたいです。
まだ副業社員を活用したことのない企業に向けてメッセージをお願いします
副業社員を募集する目的は、変化したい、新しいことにチャレンジしたいという背景が多いものです。変化や挑戦はもちろん大事ですが、日々の業務や緊急事項などがあれば、どうしてもそちらに労力がかかります。副業社員をうまく活用することで、プロジェクトが走りだすと、半強制的にでも会社としての時間も割けますし、多少でもコストをかけることで成果を出そうと真剣に取り組むようになります。やりたいけど後回しにしてしまっていることに真剣に向き合える、良い機会になると思いますので、ぜひみなさんも副業社員を活用してみてください。