企画立案から機材・人材の手配、会場設営、当日の運営・撤収まで、イベント開催をトータルでサポートできるのが強み。企業・官公庁・自治体などが主催するイベントにおいて幅広い実績を持ち、お客さまの希望に寄り添った実効性の高いイベントを実現している。

コロナ禍でも前を向いていくために

当時の経営課題と、副業人材を募集するきっかけを教えてください

 新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けるなか、代表である私のモチベーションをどう維持するかという課題がありました。イベント業界は一年以上にわたって影響を受けており、当社も例外ではありません。感染拡大前と比べ、業績が大きく落ち込んでいました。対策に動き出したいが何をしたらよいのか分からない状況が続き、心が折れないようにしなければならないと思いました。しかし誰かに相談したくても、従業員には心配をかけるので相談できません。また、異業種交流会にも参加していましたが、鳥取という同じ商圏で活動される方は距離が近すぎて、詳しい状況をお話しするのはリスクがあると思っていました。

 

 そんな折、本プロジェクトをご紹介いただきました。売上を回復させたり新規顧客を獲得するのも大切ですが、コロナ禍においてそれは容易ではないことは分かっています。そのため成果を求めるというよりは、副業人材に相談相手・壁打ち相手になってもらうことで前を向き、今を耐え忍べないだろうかと考えました。

鳥取の現状を知る人材との出会い

募集開始後の反響はいかがでしたか

 21名の方からご応募いただき「こんなに応募が来るんだ」と思いました。応募書類を見てもスキル・学歴ともに申し分なく、優秀な方が多い印象でした。選ぶのは難しかったのですが、当社の所在地は鳥取ですので、地方の実情を知っている、または実際に地方でコンサルティング経験がある方を優先させていただきました。21名の中から3名の方とオンラインで面接させていただき、最終的に1名の方にお願いすることにしました。

 

その方に決めた理由を教えてください

 実際に鳥取県内でコンサルティング経験を持っていることが一番の決め手でした。「経験に勝るものはなし」ということですね。募集をかけるタイミングでは、正直そこまでの経験は求めていなかったです。しかし偶然にも鳥取を良く知る方と出会えたので、嬉しい誤算でした。

 

やるべきことを掘り起こす

副業人材に依頼した業務内容について教えてください

 現状や今後の施策に関する壁打ちと、施策実行のサポートを中心にお願いしています。具体的に動き始めているものもいくつかあります。まずはお客さまへの提案資料づくりです。既存のお客さまでも当社を100%理解いただいているわけではないと思うので、資料を通じてより深く知ってもらおうとの思いで進めています。また、コロナの影響でイベントを自粛してきたお客さまがたくさんいますが、たとえ今後収束したからといって、必ずしもこれまで通りにイベントを開催してくれるとは限りません。去年開催しなくても問題なかったから、今後もやらないと判断される懸念があるので今年こそ開催しませんかとお話しするきっかけにもなると思いました。

 

 また、当社は岡山県にもオフィスを構えていますが、それを知る既存顧客は少ないのでもっと売り込んでいこうということになりました。実際過去にも、鳥取県内でお取引のあった企業様から岡山県の案件をご紹介いただいた経験があったので、この案はとても納得感がありました。そのほか実績報告書の作成や、企業ホームページの改善なども進めています。

 

既に成果が出ていればお聞かせください

 いずれも作成・対応している最中なので、成果はこれからです。しかし、副業人材と話すことでやるべきことが明確になり、前に進んでいくための地図をいただいたような気がしています。正直言えば、提案資料作りも岡山オフィスのアピールも、コロナ前からできることではありました。しかしありがたいことにコロナ前は既存案件と紹介案件で売上を伸ばせていたので、後回しになっていました。現在、コロナの影響が落ち着きはじめ、業績が回復傾向にあります。その前に副業人材と壁打ちができ、改めてやるべきことが掘り起こせたのはとても良かったです。

 

「困っています」を言えるかどうか

副業人材と働いてみて、率直なご感想はいかがですか

 コロナ禍で落ち込んだ気持ちを立て直したいという目的だったので話すと前向きになれると思える方を選ばせていただきましたが、結果的にその通りになったと感じています。副業人材は程よい距離感があります。だからこそ困っていることを素直に話せましたし、良くしていくためにもさらけ出す必要があったので、対話を通して気持ちを整理・立て直すことができたと思います。悩んだときに「困っています」を言える相手がいるかどうかの差は、大きいと感じました。

 

目指すは、全国規模のイベント開催

副業人材の活用を経て、今後貴社が実現したい計画などがあればお聞かせください

 以前、副業人材に「上田さんは今後どうされたいですか?」と聞かれたことがあり、そこで頭に浮かんだのが全国規模のイベントをまたやりたいという想いでした。以前、全国的に注目を浴びる“小型ジェット機のお披露目イベント”を担当させていただいたのですが、大きなやりがいがあり本当にやって良かったと思えたんです。だからこそ、またそんな全国規模のイベントを実施できるような会社にしていきたいですね。

 

 でもそのためには、現状を打破し着実に進んでいくことが欠かせません。案件を獲得していく。岡山オフィスをはじめ、戦略的に商圏を広げていく。全国規模のイベント実施は、そうした道の先にあるものだと思います。だからこそ、今やるべきことを一緒に掘り起こしてくれた副業人材の存在はありがたいものでした。

何事も経験と思って始めてみる

まだ副業人材を活用していない企業に向けて、メッセージをお願いします

 不安に感じることもあると思いますが、動いてみることが大事だと思います。実際に私は副業人材を活用して良かったと思っている一人です。副業人材は優秀な方が多いので、さまざまな角度からアドバイスをいただけます。また一緒に仕事をしていくうちに信頼関係が生まれますし、信頼できる相手から面と向かって言われる言葉は、良い影響を与えてくれると感じました。何事も経験と思って動いてみてはいかがでしょうか。