マッチング事例 CASE.16株式会社兎ッ兎ワイナリー
- 副業
- 週1副社長プロジェクト
ぶどう栽培からワイン醸造・販売までを一貫して行う自社は、「ぶどうとワインづくりを通して人が繋がり夢と未来を創造する」という理念のもと鳥取の自然、ワイン造り、そして人に真摯に向き合っている。
「販売」に関して外部の視点から客観的なアドバイスを
副業人材を募集された背景を教えてください
「とっとりプロフェッショナル人材戦略拠点」の方に今回の取組みをご紹介いただいたのがきっかけでした。当初、副業人材の活用は全く考えていませんでしたが、当社の経営課題に直面し行き詰まる中、外部の方からの客観的なご意見を頂きたく「まずはやってみよう!」ということで募集を開始しました。
当時の経営課題はどのようなものでしたか
製造・販売しているワインの販売戦略やブランディングです。当社は2007年に現代表取締役がぶどう農家として就農したのがはじまりです。当初、生産したぶどうは県外のワイナリーに醸造を委託しておりましたが、2016年に法人化し、ぶどう栽培、ワインの醸造・販売までを一貫して行う6次産業としての事業をスタートしました。醸造に関しては経験ある醸造家に師事する一方、県内外の研修施設や複数のワイナリーで研修を受けるなど取り組みを進めておりましたが、販売に関しては手探りの状況でした。
今後の展開を見据え、より多くの人に当社の造ったワインを手に取っていただくくためには、現在のブランディングや販売戦略を見直さなければならないと感じていました。そんな最中、今回のプロジェクトのお話を頂き、専門的な知見を持った外部の方から意見をいただくことで現状を打開するきっかけにしたいまた経験豊富な副業人材と当社の若いスタッフが一緒に仕事をすることにより、スタッフの成長にも繋がればと思い、募集をすることに決めました。
募集への反響や面談での話が経営をする励みにもなった
募集した時の状況はいかがでしたか
合計で23名の方からご応募をいただきました。「これだけ経験豊富な沢山の方に自社に興味を持って頂けている」ということを知り、経営の励みになったのを覚えています。その後、4名の方と面談し、大手飲料メーカーなどでも就業経験のある方と契約をしました。
契約の決め手となったポイントを教えてください
お会いした方々の中で、最も自社にない知見を持っていると感じられた部分が大きかったです。面談の際は、まず当社の事業内容をご説明した後、今後どのような形で活躍してもらえるかについて意見をいただきました。
マッチングした副業人材は、私たちの販売に関する課題感に対して、イメージでの話だけでなく、具体的な数値を用いて私たちの造るワインを誰に届けていくべきか、そのような人はどれ位いるのか、どのようなことを考えているのか、と明確な解を示し、やるべきことが明確になっていくのを感じました。また、自社のことについて、私たち自身も気付いていなかった自社の強みを面談時に言語化をしてくださり、「この人と一緒に仕事をしたい」と強く感じ、契約することに決めました。
「お客様の深層心理にアクセスする」必要性を痛感
契約後はどのように活動をされていますか
今後のブランディングや販売戦略立案に向けて、お客様へのアンケートを実施して現状把握を行うなど、SNSの活用やワインの販売以外で収益を上げる方法の検討も同時に行っています。
副業人材と働かれてみて、新しい気付きなどはありましたか
今まで以上にお客様に寄り添った提案ができるようになったと感じています。今回マッチングした副業人材と話す中で、お客様のことを考えているつもりで、「作ったものをどう売るのか」という自社の視点が優先していたことに気付きました。そして、売り方といった小手先のことではなく、「ブランディングや経営戦略はお客様の心理に繋がっている」ということを教えて頂きました。
実際に、自社のワインの強みだと思っていた部分に対して、お客様へのアンケート結果では自社が想定していた反応とは少し違った結果が返ってくるなど、私たちの「勝手な思い込み」が存在することに気づきました。今回の取組みを通じて、私たちはお客様の「考えていること・望んでいること」を知るためにお客様の深層心理にアクセスする必要があると実感しました。現在は、副業人材に教えて頂いた書籍やWebの記事を見たり、セミナーに参加をするなどしてブランディングについて勉強するきっかけを与えてくださり、とても良い刺激を頂いています。
副業人材と共に働くことで、スタッフの成長にも繋がっていく
副業人材と働いてみた率直なご感想をお聞かせください
外部の視点を取り入れられることが、副業人材活用の大きなメリットだと感じました。私たちだけでは解決しない問題に対して、副業人材の経験や知見をシェアしていただくことで、事業を前に進めるヒントを得られています。また、ただ教えを乞うだけではなく、お話をする中で私たち自身の視野が広がり行動が変わるなど、働くスタッフの成長にも繋がっていると感じます。
一方で、全ての意見を鵜呑みにするのではなく、自社が大切にしている考えをぶれずに貫く姿勢も重要だと感じています。副業人材からは非常に多くのアドバイスを頂きますが、この鳥取市国府町という地でぶどうを育てて醸造している事に意味があるという想いを忘れず、その想いを更に広げていくために、副業人材と共に取り組んでいけたらと思います。
最後に、副業人材と今後実現していきたいことはありますか
私たちが新しい気付きや学びを得ているのと同時に、副業人材にとっても今後に繋がる有益な機会になればと思っています。私たちとの出会いが副業人材の今後の更なる活躍にも繋がっていく、そんなWin-Winな関係性をお互いに築いていきたいと思っています。