マッチング事例 CASE.29合同会社SPEA
- 副業
- 週1副社長プロジェクト
フィリピンにある語学学校SPEA引継ぎ、鳥取県江府町にて英語+αが学べる「鳥取英語村」を運営。自然環境を活かしたアクティビティをメインとし、“将来なりたい姿”から今やるべきことを考える、バックキャスティング型の英語学習を行う。
みんなで英語村をつくりあげたい
※今回は、代表の大塚さんとスタッフの遠藤さんのお二人にお話を伺いました
副業人材募集のきっかけと、当時の経営課題を教えてください
大塚さん…鳥取英語村は2021年にオープンしていますが、経営企画や営業企画に取り組むにあたってはさらに多くの人の頭で考えて、意見を出し合って進めたいという想いがありました。また、代表である私だけが目立つのではなく、さまざまな人の声を取り入れ、みんなで英語村をつくりあげていきたいと考えていました。
副業人材の活用については他の企業から話を聞いていましたし、以前、私自身が副業人材として働くことを考えたこともあったので、抵抗感はありませんでした。そんな折、今回のプロジェクトの存在を知りました。経営企画や営業企画についてアイデアをいただくのはもちろん、既存スタッフは若い人ばかりなので、副業人材が彼女たちのよい刺激になればという期待感もありました。
正社員ではなく副業人材の活用を選ばれた理由はありますか
大塚さん…私は人材業界での経験がありますが、そこで“人が力を発揮できるかは、環境に影響される”と学びました。どんなに優秀な方に入っていただいても、迎え入れる側が活躍できる土壌を用意できなければ、うまくいかないこともあります。そこで、ミスマッチを防ぎ、新しく入られる方に「ここなら力を発揮できる」と実感いただく期間を設けるためにも、雇用という形ではなく、まずは副業でジョインしていただこうと考えました。もし互いに「今後も協力していきたい」という思いが芽生えれば、形態は柔軟に変えよう思います。
副業に「本気」 で取り組む姿勢に圧倒された
募集をした際の、応募状況はいかがでしたか
大塚さん…21名の方からご応募いただいたのですが、素晴らしい実績をお持ちの方ばかりで驚きました。全員と面談したいくらいだったのですが、さすがに難しかったので「SPEAで何ができますか?」という追加質問を行い、その回答をもとに面談する方を選びました。
当初は、副業は本業のサブでやるものと認識していたので、今回のプロジェクトもライトに取り組まれるだろうと思っていました。しかし、追加質問の回答からは全力で当社のことを考えてくれていると感じるものが多く、副業に「本気」で取り組む姿勢に、圧倒されました。
その中から、どのような方とマッチングされましたか
大塚さん…プロモーション、集客、企画販売・営業、事業計画と、知見の異なる4名の方を副業人材として迎え入れています。「多くの人の頭で考える」ことがしたかったので、得意分野が重複しないように意識して人選を行いました。また、代表の私に気を遣わず、積極的に駄目出しをしてくれるかどうかも重要な要素でした。先ほど新しい人が力を発揮できるかは、環境に影響されると話しましたが、それは既存スタッフにおいても同様です。副業人材を迎え入れることで既存スタッフがやりにくさを感じてしまっては意味がないため、既存スタッフの声も聞きながら選考を進めました。
新たな発見から、新たな目標が生まれる
副業人材と、どのようにプロジェクトを進めていますか
大塚さん…まだ始まって1か月未満ということもあり(2022年1月取材時)、打ち合わせを3回した段階です。現状まずは4人の中から、事業計画に知見のある方お一人に参画していただいています。今はどのような価値を提供をしていくのかといった、いわゆるバリューの部分を見つめ直し、社内の共通認識を作り上げている最中です。そのあと、他の3名の方にも参画いただきながら、経営企画・営業企画といった具体的な戦略に落とし込んでいこうとしています。
副業人材と一緒に働かれてみて、率直な感想はいかがでしょうか
遠藤さん…プロジェクト開始から間もない段階ではありますが、一緒に働くことを決めて良かったと感じています。私たちには大切にしたい教育観や、鳥取英語村として今後チャレンジしたい取り組みがあります。一足先に参画いただいた方については、最初の段階でそうした私たちの想いや目標をお伝えしたのですが、それに対してご自身の知見を踏まえてアイデアや事例を次々と出してくださいました。そのどれもが具体的でとても驚いたのを覚えています。一緒に働いていただくことで、私たちの目指したい姿やゴールまでのイメージが、鮮明になってきていると感じています。
副業人材を活用して、どのような変化が生まれましたか
遠藤さん…言語化をする機会が増えました。既存スタッフとは、一緒に働いてきた経験によって、口にせずともなんとなくで理解し合ってしまうことがあります。しかし、副業人材にはそれが通用しないので、その都度、言語化する必要がありました。あらためて言語化してみることで、考えの足りなさや誤り、認識のずれに気づかされることも多く、新たな発見を得ています。
しかしその一方で、話し合いの場でうまく喋れず一番現場を知っているのは私なのにと悔しい思いもしました。それをきっかけにディスカッションできるようになりたいという新たな目標ができ、よい刺激をいただいていると思います。
大塚さん…考える時間が増えました。たとえば、現場で仕事をしながらどのような価値を提供していくのかを考えるのはなかなか難しいと思います。しかし現在は、副業人材と週次で打ち合わせをする機会をいただいているので、打ち合わせの前後も含め、考える時間が増えました。
また、選考の話題でも触れましたが、副業人材が「本気」で取り組んでいるのが伝わってきます。だから、私たちも中途半端な意見は出せない。その思いがあることによって、視座を上げて考える意識付けがされてきているのだと感じています。
経験を、副業人材に分けてもらう
副業人材の活用を迷われている方に対し、アドバイスをお願いします
大塚さん…経営において経験の豊富さは強みになりますが、社長や代表が一人で経験できることには限りがあります。副業人材を活用すれば、その方々が培ってきた経験を分けてもらえるという大きなメリットがある。特に地方は情報も得にくいので、地方の企業こそ副業人材を活用して、経験・情報をアップデートしていくといいのではと考えています。
また、遠藤が話したように、言語化せずに「なんとなく」で済んでしまっていたことが、副業人材を迎え入れることで通用しなくなりました。しかしそれはきっと、当社以外でも起こり得る事象だと思います。知識面だけではなく、コミュニケーション面などでも自分たちの弱みに気づくよい機会になる、そういう観点でも、副業人材の活用はとても意味のあることだと思います。