土地や風土の特徴を生かしながら、現代に適した家づくりを探究し続ける地域密着型の工務店。地元の人から愛される企業であり続ける為に、伝統を守りつつも、時代に合わせたプロモーションの仕方を常に模索している。

副業人材を募集したきっかけは何ですか?

当時の経営課題

これまで私たちの広告のやり方としてもっとも主流だったのは、新聞の折込チラシによるものでした。私たちの事業はお客様からの紹介受注というのがメインなのですが、近年では、新築を建てる顧客層は新聞を読まなくなっていて、そこに広告費をかけても「目にしてもらえていない」「商材の魅力を知ってもらう場がない」という悩みがありました。

 

仲間の工務店が少しずつツイッターやインスタグラムといったSNSを使った集客はをじめていたので、やってみたいという気持ちはあったものの、SNSには疎く、なかなか一歩が踏み出せないという状況でした。
そんな時に、鳥取県で副業人材の募集事業があるということを知ったのがきっかけです。

どんな方から応募がありましたか?

全部で9名から応募があり、3名の方と面談をしたのですが、みなさん情熱があり、能力の高い方ばかりで驚きました。ただ、中には能力が高すぎて、現在の私たちの会社のフェーズではまだそこに追いつけていない、と感じたこともありました。

 

その中で松本さんの採用を決めたのは、SNSという新しい分野に対しての具体的なアドバイスがあり、引っ張っていってくれそうだと感じられたからです。今の私たちのフェーズにあった提案をしてくれて、明確なイメージを共有できたところがよかったのだと思います。

 

副業者を採用したことで、どのような変化がありましたか?

松本さんは採用が決まってすぐに私たちがやるべきことや、ターゲットがどこか、ゴールをどこに設定するか、ということを明確にした資料を作ってくれたんです。

松本さんに来ていただく前までは、SNSはとりあえず投稿さえすればファンが増えて、集客に繋がるものなんだと思っていましたが、しっかりとターゲット層、セグメントを絞って投稿しなければいけないとアドバイスをいただきました。私たちは地方の工務店なので東京や大阪の人からいいねが集まってもあまり意味がないんです。やはり地元の人に響く投稿をすることでファンを増やしていかなければいけません。その為にはどこをどう強化していくのか、その手法を教えていただいています。

 

まだ稼働して間もないため結果が出ているわけではありませんが、長いスパンで進めていって、将来的には副業者さんの力を借りずに自分たちの手で運用できるようになっていけば良いなと思っています。

 

副業者を採用するにあたって、悩んだことはありますか?

実は副業者さんの募集をかけてからすぐに9名の方から応募があって、驚いたのと同時にとても戸惑いました。
副業とはいえ、人を採用するということにプレッシャーを感じてしまったんです。
次々に希望者からのメールが入ってくるのですが、始めてのことだったので、どこから手をつけたら良いのかわからなかったというのが正直ありました。

 

そんな時に「とっとりプロフェッショナル人材戦略拠点」の方から「もう少し気楽に、まずは気になる人材の絞り込みをしましょう」とアドバイスをいただいたんです。アドバイス通り絞り込みをして実際に3名の方とお会いしました。みなさん前向きな方ばかりで。
背中を押していただいて、採用への一歩を踏み出すことができました。

 

まだ副業人材を活用したことのない企業に向けてメッセージをお願いします

今回副業者さんを採用してわかったのですが、都会の方々は私たちが思っている以上にやる気があって、地方に貢献したいと思っている人が多いです。実際に面談をしたのは3名のみでしたが、みなさん真剣に私たちの悩みを聞いてくださって、アドバイスをくださいました。
通常ですと、なかなかお会いすることができないような方とお話しができただけでも、私たちにとってはかなりの収穫になったと思っています。

 

普段の私たちからすると当たり前と思っていたことも、新たな視点が入ることでそれが当たり前ではなかったことに気づかせてくれる。副業者さんはそんな存在です。

 

さまざまな変化が起こった2020年は「副業元年」だと思っています。これからは変化に対応していかなければいけません。
「副業」というとまだまだ抵抗があるという企業も多いですが、やってみると社内だけではなく、自分自身の視野も広がるので、ぜひ最初の一歩を踏み出して欲しいと思います。

副業人材の松本さんにもお話を伺いました

都内の不動産デベロッパーにお勤めの松本さん

いなばハウジングさんへ応募した理由

もともと人生100年時代の中で長く、楽しく主体的に働く為に、スキルアップがしたいと思い、副業として企業の経営支援やプロジェクト支援を始めていました。

その中の1つとして、SNSを含めたマーケティング支援を行っていたので、その経験を活かすことができるのではないかと思ったのが、応募理由の1つです。

もう1つは、いなばハウジングさんのホームページを見たときに、ものづくりへのこだわりが伝ってきたので、素直に素敵だなと思いました。

 

副業をしてからの変化

副業を始めたことで、自分自身のスキルや視野が広まっていますし、新しいことに挑戦する行動力もつきました。

また、改めて本業が好きなんだなということも実感できるようになったと思います。
いなばハウジングさんでは、これまで培ってきた「内容をわかりやすいようにかみくだく」「伝わりやすい資料をつくる」「メールや打ち合わせでコミュニケーションを深める」といったビジネスの基礎力を活かしつつ、本業に還元できる力を得ることができるのではないかと期待しています。