マッチング事例 CASE.38有限会社エス・ケイ・ワイ
- 副業
- 週1副社長プロジェクト
「身近なものを確かなものに」をスローガンに、これまでの経験から培った高い技術力を活かし、階段・スロープ・吹き抜け部分の手摺、アルミパネルの製作といった建築金物 からキッチンカーやご家庭用の棚などオーダー製作まで様々な金物を製作。お客様のニーズをしっかりと形にしながら新しい製品も開発している。
未経験の二代目社長に経営戦略の伴走
副業社員を募集したきっかけを教えてください
13年ほど在籍している父の会社でM&Aをすることになり、子会社で新しく当社の社長に就任しました。私自身が経営経験もなく、建築金物の仕事自体が初めてで想像もつかず、まず現場に慣れることに必死でした。加えて社内の事務や経理など、業務内容の引き継ぎや営業先とのやり取りなど、とにかく課題は山積になっていました。目前の仕事をこなすことが精一杯な状況が1年くらい続き、現状を打破したいと思っていたところ、当事業を紹介いただきました。それまでは前社長が長く運営されていたこともあり、今後の事業を安定させるために何から着手すべきか一度整理し、経営面について幅広くアドバイスいただける人材を求めていました。
経営者の想いを受け止め言語化するパートナー
副業社員とマッチングされた理由を教えてください
自分自身が感覚派だと自覚していましたので、できるだけ自分と真逆な方を求めていました。落ち着いていて、数字に強い戦略的な方がいいなと思っていたところ、大手企業で経営戦略の部署にいる方をご紹介していただきました。一番の決め手になったのは、こちらの思いを受け止めてもらって、言語化し返してもらえたことが理由です。私より少し若い方ですが落ち着きもあり、頼りがいのある話しやすい印象でした。
目標を立て業務効率化で売り上げアップが可視化
具体的な業務内容とその成果を教えてください
優先順位を明確化してスタート
副業社員は県外にお住まいの方なので、週1回1時間を基本とした打ち合わせをオンラインで重ねていました。最初はとにかく今困っていることを全て話して、私がやるべきことを言語化し、仕分け、リスト化してもらいました。そうすることで、優先順位も明確になりました。自分の立ち位置がわかり、ちょうど決算が終わった時期だったので、まずは数字をチェックして今期の売り上げ目標を立てました。
人員採用と業務効率化で売り上げ250%達成
私の時間がないひとつ大きな課題として、それまで私が事務経理を担っていたこともありました。事務員を採用したいと思いながらも、時間に追われ採用が後回しになっていました。そこも副業社員にサポートしてもらい、1か月ほどかけて事務経理のマニュアルを作成し、人員を採用することができ、スムーズに事務業務を引き継ぐことができました。その後も数字の見直しを重ね、受注からの流れをフォーマット化しました。見積書の作成から受注、現場の製作工程を効率化できるようになり、工場内の資材の見直しと把握を徹底すると、今期前半戦で前年比250%という成果として表れました。これまで現場単位での台帳はなく内容が不透明で、受注は多かったのに仕入れが高く赤字が発生することもあったので、工事台帳を新たに作成し、1件1件の受注で人員、材料、期間などの実績を洗い出すようにしました。それが功を奏し、今期から軌道に乗った形です。これは副業社員がいたからこそできたことだと思います。
3年計画で中期的に経営基盤を固める
副業社員のサポートがあって、この1年近くで数字の部分での見える化ができ軌道に乗せることができたので、次は3年の中長期での経営計画を立てる予定にしています。アットホームな小企業ゆえに、人事評価に関しても曖昧なところがありました。評価も仕組化し、昇給や報酬の制度も整えていく必要があります。従業員も数年後の社内が見えていないと、このままどうなっていくのだろうと不安も大きくなります。しっかりと経営基盤を固め、今後も社員が安心して働ける事業を継続していくためのサポートを副業社員にお願いしています。
副業社員がもたらした効果は
昔からのやり方が当たり前になってしまっていたところがあるのですが、副業社員は効率の良い先端のやり方を教えてくれます。本当に初歩的ですが、エクセルのシートの使い方や、こうするともっと効率化できるよという根本的なところを示していただきました。今はひとつの作業をこなすことが格段に速くなりました。副業社員は本当に私と相性が良く、今は親会社のアドバイザーもお願いしています。自社でこんなことができるんだという新たな発見もあり、何よりも副業社員が来てくれたので社長として動ける時間が増えました。それまではプライベートでは子どもがまだ小さく、夜寝かしつけた後にデスクワークをすることもありました。今では社内のことが効率化できたので、私自身が営業に行けるようになり、気持ちに余裕が持てるようになりました。
金物業として地域で一番店を目指す
今後、会社としてどのように成長していきたいですか
経営も初めてで右も左もわからなかった状態でしたが、今後会社をどのようにしていくかというところまで、やっとたどり着いた感じです。事業を継続していくからには、地域で一番の店にならないといけません。取引先もほんの数社でしたが、現在は数十社に拡大しています。金物業の中で地域一番店になっていかないと存続は厳しいと感じているので、今後のビジョンをしっかり立て会社も人もみんなで成長していきたいです。
まだ副業社員を活用したことのない企業に向けてメッセージをお願いします
この副業社員マッチングは、自分が詳しくないことに強い実績や経験を持つ人と出会えることが素晴らしい取り組みです。副業社員は、自分の頭にはない視点や考えを教えてくださり、こちらの立場になって考え、伴走してくれるのが本当に心強いです。とくに忙しい経営者は、誰かに話すことで言語化され頭の中が整理することができると思います。そうすれば時間も出来て余裕もできるので、ひとりで悩んでいる経営者には、ぜひ副業社員に関わってもらうことをお勧めします。