この事業について知ったのはFacebookで知り合いが共有していたことがきっかけでした。昨年、当社の決算の時期に、来期に備えて何か準備をしたいなと思い、以前から興味のあったこの事業に問い合わせたところ、求人掲載企業を募集しているというタイミングで利用することになりました。
当時の一番の課題は、事業のサービス企画と収益化。現在の事業収入が、企業様からの取材料とサイトの広告収入がメインで、今後のストック収入を増やしていくための手段が必要でした。自社Webメディア上に企業サイトを誘致するサービスを開発していたので、その展開や方向性の企画立案、マネタイズ戦略、営業戦略などを一緒に考えていただける方にご助言いただければと思いました。特に鳥取県のサポートは安心感もありますし、コストを抑えて始められるというのも大きかったです。
24名というたくさんの方からご応募がありました。その中から10名と面接をして、最終的に4名の方にお願いしました。東京、大阪などの関東や関西からの応募が多く、年齢は本当に多岐に渡りました。地域を盛り上げたい、地域活性化に携わりたいという熱い思いのある方ばかりで、こちらも本当に嬉しかったです。こちらがインターネット戦略やSNSに強い方の募集をしていたので、IT業界での経験やスキルのある方が多かったです。４名の方それぞれに、「Webコンサル」「SNSコンサル」「経営コンサル」「ブランドマーケティング戦略コンサル」という役割を担っていただきました。
多彩な方々ばかりですが、私たちが知りたい、解決したいという分野への知見が長けていそうな方かどうかというところは特に重要視して選出しました。「Webコンサル」の方は50代の男性、神奈川在住の方で、アルコール飲料のコンサルティングをされている方でした。ブランディングも含め、強みを強化してのインターネット戦略を考えるスキルがあるとお見受けしたのでこの方に決めました。「SNSコンサル」をお願いしたのは20代の東京在住の女性、SNS関連のコンサルティング企業にお勤めとのことで、今回ぜひお願いしたいと思いました。当社のWebメディアを利用するターゲット層と同年代というところも採用の理由でした。「経営コンサル」はこちらも東京在住で、男性の方ですが美容関連の会社にお勤めされていて、経営マーケティング部門で働いていた経験がある方なのでお願いしました。「ブランドマーケティング戦略コンサル」をお願いしたのは50代の方で、コンサルティングをされている方でした。
自社の強みをリスト化し方向性を見出す
「Webコンサル」に関して、コミュニケーション頻度も多く有意義に進みました。副業社員が、『とっとりずむ』の今ある強みをリストアップし、それに基づきどんな戦略とればいいかというのを具体的に提案してくれました。次回までの宿題を出してくださることもあり、週１回のミーティングを３ヶ月続けて、『とっとりずむ』の方向性がかなり明確にできたのは大きな収穫でした。今はそこを踏まえて今後の会社としてのアクションを具体的にしているところです。
SNSの特色を踏まえたフォロワー増戦略
「SNSコンサル」の副業社員には、月１回のミーティングのほか、常にチャットなどで密に連絡を取り、フォロワー数を伸ばすための具体的な提案をいくつかいただきました。SNSにはFacebook、Instagram、Twitterなどそれぞれ違う特色やアルゴリズムがあるので、それぞれの効果的な対策を示していただけたので学びになりました。
例えば投稿の画像に文字を入れたり、デザインの変更の仕方など、今までやっていなかったことも自分たちで取り組めるようになりました。新しい視点も持てるようになりましたし、実践してまだ間もないですが、少しずつフォロワーも伸びてきています。
現在の課題のさらに先の課題までを抽出
「経営コンサル」や「ブランドマーケティング戦略コンサル」の副業社員とも月１回のミーティングとチャットでご相談させてもらっていました。毎回議事録をまとめてくださったり、次やることも提案してくださったり、本当に配慮が行き届いていて嬉しかったです。コンサルティングの難しいところですが、こちらが困っている、解決したいことのさらに先に生じてくる課題も視野に入れてくださり、当社としても課題を抽出し、考えを整理できたのは非常にプラスに働きました。
今回、４つの分野で副業社員を活用し、新たな課題が明確にできたと感じました。事業をする上で出てきた問題を解決するのはもちろん大切なのですが、戦略を練って方針を決めていく中で、その先にまたこうした事態が生じてくるだろうという、広い視野で考えることが出来るようになったと思います。
例えば、この事業で支援いただく前は、SNSのフォロワーを増やすことが大きい課題だと捉えていました。しかし、実際にはSNSのフォロワーを自社運営しているWebメディアにつなげるか、掲載している企業様へとつなげるかで、本質的な課題が異なるということに副業社員と関わる中で気付きました。特に「ブランドマーケティング戦略コンサル」の方は、鳥取まで来てくださって、対面でお会いする機会もありました。契約期間が終わっても、現在も連絡を取り合う関係性です。
『とっとりずむ』を知ってくださる方が鳥取県内で多くなってきたことは実感しています。これまでは『とっとりずむ』に広告を掲載する際、広告料をいただいていましたが、広告業界の変化は本当に激しいです。副業社員にご相談できたことで知見が広がったので、広告業以外のところでの収益源を多様化し、経営を安定させて鳥取の企業として20年、30年と長く続く企業に成長させていきたいです。将来的には知名度を活かして鳥取のイベント運営、企画、店舗経営、SNSのコンサルなどに取り組み、鳥取県をもっと盛り上げていけたらと思います。
実際に面接をするとモチベーションが高い方も多く、副業という取り組みが世の中で盛り上がっていることを実感できると思います。こうした最先端の取り組みのマッチングを県がサポートしてくれるのはありがたいですし、鳥取県が目指している「関係人口」を増やそうという想いも体感できるので、私たちもモチベーション高くこの取り組みを活用していこうと思います。
